家族のかたち

一番身近だからこそ、時には面倒で、でもやっぱり切り離せない「家族」。兄弟、親子、夫婦...。「家族」といってもそこにはいろんな繋がりがあり、現れ方もそれぞれ。そんな「家族」の様々な形を感じられる小説を集めました。

家族シアター

辻村深月/著 講談社

778円

同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。 褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。 こんな風には絶対になりたくないけど、 気にせずにはいられなかった…。色々な視点から家族を見つめ直す短編集。時にはすれ違い、トラブルを起こし、それでも家族でいることの暖かさがしみる一冊です。

ビタミンF

重松清/著 新潮社

637円

いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった40歳、父親として、家族とどうつきあえばいいのか…。家族であっても本当に向き合って、話し合うことの難しさと、それでも、その中に見える希望。いじめや男女関係など、辛いテーマも描きながら、最後は「ビタミン」のタイトルの通り、少しの元気をくれ、前を向かせてくれます。

猛スピードで母は

長嶋有/著 文藝春秋

475円

「私、結婚するかもしれないから」「すごいね」猛烈に働き、自分の人生のために恋をして、子供を突き放ているように見えて、深く愛している母親。子供は、母親がすべてを話してはくれなくても、思っている以上に母親のことをわかっているのかもしれません。力強い母親の姿が、不思議とさわやかな読後を運んできます。

銀河鉄道の父

門井慶喜/著 講談社

1,728円

“銀河鉄道の夜”の宮沢賢治の「父」、政次郎の目線で語られる、賢治への思い。家業を継ぐべき賢治との親子の葛藤。それでも息子に夢を追わせたいという愛情。父親の苦悩と、息子への愛情がよく描かれています。

星やどりの声

朝井リョウ/著 KADOKAWA

605円

海の見える町で、喫茶店「星やどり」を営む早坂家。三男三女母ひとりの、慎ましくても穏やかな日々。ところが、常連のおじいちゃんが姿を見せなくなったころから、家族にも変化が訪れる。それぞれの立場ならではの葛藤や悩みを抱え、ぎこちなくなる一家に、父親がしかけた奇跡が…。家族が「家族」から卒業していく物語。

骨を彩る

綾瀬まる/著 幻冬舎

583円

妻が手帳に遺した「だれもわかってくれない」という言葉。彼女はどんな思いでいたのだろう? 戸惑う父と、ほとんど記憶の無い母親の存在を受け止められない娘。連作短編集の形で、家族だけではない人同士のつながりも描かれていますが、表題作から続くある父子の物語に、記憶だけではなく受け継がれていくものがあることを思い、その優しさに胸を打たれます。

甘々と稲妻

雨隠ギド/著 講談社

637円

シングルファザーの高校教師・犬塚は、娘・つむぎの子育てに奮闘する毎日。けれど料理がうまくいかず、食事はコンビニ弁当やインスタントばかり。そんなある日、教え子が料理を教えてくれると言い出した! おいしい食卓を囲むことを始め、日常の幸せを教えてくれます。親子とその周りの人々、それぞれの成長も見どころ。

愛すべき娘たち

よしながふみ/著 白泉社

596円

ある母娘と、それをとりまく人々を描いた連作短編集。日常のささやかな出来事の中で浮かび上がってくる、それぞれの女性たちの愛の形。母と娘の関係をはじめ、人と人との間の微妙な感情やつながりの描き方が見事。母親もまだまだ未完成で不器用な、「愛すべき娘たち」なのかもしれません。

ガストン

ケリー・ディプッチオ/文 クリスチャン・ロビンソン/絵 木坂涼/訳 講談社

1,728円

ガストンは他のきょうだいたちより大きくて、鳴き声も走り方も、一匹だけさわがしい。けれどガストンの家族は、みんなとっても仲良し。ところがある日、家族で散歩に出かけた公園で、ガストンそっくりの家族と出会って…? 血のつながりだけが家族ではないと教えてくれる、ちょっぴり笑えてあたたかい1冊。

ちょっとだけ

滝村有子/さく 鈴木永子/え 福音館書店

972円

弟が生まれて、「お姉さん」になったなっちゃん。赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんのため、自分ひとりで色々なことをやってみますが、なかなかうまくいきません。「お姉さん」になる少しのさみしさと、そこからの成長。そして、それを見守るお母さんの深い愛情を感じる絵本です。

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