スペインの名門・FCバルセロナのスター選手 リオネル・メッシ
病気と闘いつつ、南米アルゼンチンからはるばるスペインの強豪チームの下部組織へ入団、チームの看板選手へと成長し、いまや現役最高、あるいは史上最高の選手と呼ばれるに至るサクセスストーリーは非常に有名であり、世界のサッカー少年たちの夢と希望になっている。
ただし、すべての少年が成功しているわけではない。下部組織からトップチームへ上がれるのは10人に1人いるかどうか。サッカー以外の道で生きていく者がほとんどで、そういった部分は注目されない。
では、そのサッカーという道を閉ざされた少年たちは今どのような生活をしているのか。かつてはチームメイトだったスター選手・メッシをどう思っているのか。
著者みずからスペイン中をめぐり、下部組織時代のメッシと同期にプレイし、別の道を歩むこととなった元チームメイトたちを直接取材し、彼らの生き様だけでなく、周囲を渦巻くスペイン、ひいてはヨーロッパの実情、近年のカタルーニャ独立問題や人種・宗教問題のリアルを伝える一冊です。