2025年上半期、直木賞・芥川賞該当作なしというニュースは出版界に大きな衝撃を与えました
作家たちはこの2つの文学賞にどんな思いをもっているのか、フィクションを通して読み解きます。
村山由佳/著 文藝春秋
2,200円
ベストセラー作家の天羽カインが渇望するものそれは「直木賞」受賞。 どれだけ本が売れようが映像化されようが、直木賞だけはカイン手をすり抜けてきた。認められたい、その執念はやがて編集者を巻き込み大きくうねり始める。リアルさに誰もが慄く業界小説。圧巻の心理描写とスリリングな展開に1ページたりとも目が離せない!
筒井康隆/著 文藝春秋
902円
同人誌「焼畑文芸」に載った処女作がヒョンなことから「直廾賞候補」となった市谷京二。受賞のために職も財産もカラダまで投げ打ったが、甲斐なく落選。憤怒にかられた市谷は選考委員らの殺害を決意する! ブンガクをめぐる狂乱と欺瞞を徹底的にカリカチュアライズして描き文壇を震撼させた猛毒性長篇小説。
東野圭吾/著 集英社
792円
東野圭吾による、文学賞の待ち会での人間模様を皮肉たっぷりに描く「もうひとつの助走」など文壇をモチーフにブラックユーモアを満載に詰めこんだ短篇集。東野圭吾の根っこの部分が見れたような気がします。登場人物はなんと最新作「マスカレード・ライフ」にも登場しています。20年近くたってどういう立場になっているのか気になる!
佐川恭一/著 中央公論新社
1,980円
好きな子のを振り向かせるため、芥川賞作家を目指す主人公。 あるひとには懐かしく、あるひとには新しい、ゲームブックは何度でもチャレンジ可能。 はたして芥川賞受賞への道はイージーモードかハードモードか、それは読者次第。選択肢は読者にゆだねられている!
柳本光晴/著 小学館
715円
とある文芸雑誌編集部に、応募要項を一切無視した新人賞応募作が届く。誰にも読まれることなく破棄されるはずだったその作品に一人の編集者が目をとめたことから、文芸の世界は変わり始める― 芥川賞と直木賞を同時受賞という破天荒な展開ながら、ひとりの天才作家が文学界を変えていく胸あつのストーリーに14巻一気読み!
町屋良平/著 河出書房新社
1,980円
破壊的じゃない「私」の人生はつまんない――? 芥川賞をとってなお自分に自信が持てない作家が、この世界を言葉で立て直す。 小説家にとって小説を書くとはどういうことなのか。私たち読者は小説と、作家とどう向き合っていったらいいのか、考えさせられます。
高瀬隼子/著 文藝春秋
1,760円
ゲームセンターで働く長井朝陽の日常は「早見夕日」のペンネームで小説を書いていることが周囲にばれてから、ゆっくりと崩れ始める― 言語化しにくいモヤモヤをどうしてこんなにもうまく描けるのか。 リアルとフィクションがどろどろに溶け合う、奇妙な気持ち悪さがたまらない!
石田衣良/著 新潮社
737円
デビュー以来10年「次にくる小説家」と言われてきたが作品は鳴かず飛ばずで絶賛スランプ中の青田耕平。将来への不安は募るばかりだが、ついに直木賞の候補に選ばれたのをきっかけに、物語は動き始める。 親子の深い絆に胸が熱くなる感動作です。
柚木麻子/著 新潮社
693円
文学新人賞を元・人気アイドルと同時受賞したため、ほとんど注目されずデビューの機会も巡ってこない不遇な新人作家・中島加代子。ひょんなことから大御所作家・東十条と出会い、加代子の文壇下剋上が始まる ユーモラスでシュール、柚木麻子のエンジン全開!
新堂冬樹/著 光文社
1,980円
モデルは新堂冬樹自身!? これは直木賞をとれなかった、ではなく直木賞受賞を目指さず書き続けた作家と編集者の物語。