15世紀イタリアに生きたルネサンスの画家と、
母を失ったばかりの21世紀のイギリスの少女。
二人の物語は時空を超えて響き合い、男と女、絵と下絵、事実と虚構の境界をも鮮やかに塗り替えていく...
イギリスを代表する現代作家、アリ・スミスによる
大胆なギミックを効かせた意欲的な長編小説です。
画家の物語と少女の物語、両方とも本書では「第一部」と題して書かれており、どちらからでも読めるようなつくりになっています。
そして両方を読んだ後、再読して初めて、それまで見えなかった風景が見えてくるという仕掛けがなされています。
実験的な作品ではありますが、文章自体に難解さはなく、
ユーモアのある語りで読みやすく、おすすめです。
新潮クレストブックは今年で20周年を迎え、
正面入り口前にてフェアを展開しおります。
この機会に是非、海外文学に触れてみてはいかがでしょうか。