「奇想」とは広辞苑(第七版)によると「普通では思いつかない考え。奇抜な考え」とあります。
この言葉から日本絵画はなかなか結びつかないですが、この本で紹介されている絵を見ればこの言葉ほどぴったりハマるものはないかと思います。
最大5時間以上という待ち時間で話題にもなった2016年の「生誕300年記念 若冲展」をはじめ、岩佐又兵衛、曽我蕭白など、近年の江戸美術ブームは実はこの本から始まったといっても過言ではないのです。
単なる絵の解説ではなく、この発想がどんな風に生まれたのか、著者の辻惟雄さんの巧みな文章が興味をどんどん湧き立たせます。
紹介されている絵は巻頭の口絵以外はすべて白黒。
カラーで大きく見てみたいと思った方に朗報です。
この本にフューチャーした「奇想の系譜展」が2月9日から4月7日まで東京都美術館で開催中です。
ぜひこの本を片手にお出かけください。