いよいよ5月1日から「令和」の時代が始まります。
どんな時代になるのか、新鮮な心持ちに自然となってきます。
同時に「平成」という時代の終わりにに一抹の寂しさを感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな「平成」最後にオススメしたい一冊はその名も「平成大家族」です。
「小さいおうち」で直木賞を受賞した中島京子さんの描く家族小説です。
(勝手に)リタイアした元歯科医の龍太郎のもとにある日突然、破産した長女夫婦、離婚した次女が舞い戻ってくるところから物語は始まります。
もともと15年近く引きこもっている息子と90歳過ぎの姑をかかえる緋田家の人口密度は
2倍になり問題も一気に膨れ上がります。
離婚した次女の妊娠が発覚し、孫は転校先の学校に馴染めず物置に閉じこもり・・・。
語り手が次々変わり、それぞれの事情を時にユーモラスに、時にシニカルに描き、不思議と暗さがまったくないのです。
そして何といってもラストの粋なこと!これは最後まで読んだ者の特権として語らずに置きます。
「サザエさん」が「昭和」の家族を象徴するように、この小説が「平成」の家族を象徴する日もいつか来るのかも!?