完投した投手 47人→28人
3投手以上の継投 22チーム→32チーム
全国高校野球選手権大会、いわゆる「甲子園」での昨年と今年とで変化した数字である
準優勝した石川・星稜高校も奥川投手のような大エースを擁していたが、今夏の大会では奥川投手を含め4人の投手が登板していた
近年野球界ではプロアマ問わず投手の肩や肘の故障回避のためのイニング制限や球数制限が議論されており、特に高校野球はその議論の中心となっている
一昔のように一人の投手が連日100球以上投げ続けるとなると、今ではそれだけでニュースとなり批判が集まる事もある
しかし力のある投手を複数育てるというのはなかなか難しく、仮にいたとしても継投のタイミングや連戦の中での投手運用もまた難しく、MAX163キロを投げる大船渡高校の佐々木投手が県予選準決勝までで球数を多く投げた影響か決勝戦の登板を回避し敗戦、甲子園に出場できなかった事が大きな話題となったケースもある
本著ではそういった複数投手の育成や継投論を仙台育英や東海大相模など有名校の現役監督の理論、野球に関わる専門家たちの視点や考えが載せられており、学生野球指導者だけでなく、現役球児やその保護者、ひいては野球ファン全体にとっても、野球というスポーツの未来を考える参考の一つになれる本です