2月に発売になったご当地金沢が舞台の小説をご紹介します。
金沢に転校してきた男子高校生がひょんなことから古道具屋でアルバイトを始めることから物語は始まります。
その古道具屋で働くのは主人公以外はなんとみんな妖怪で、扱う古道具にも妖怪がまぎれていたりします。
最初反発していたアルバイト仲間の同級生との友情がストーリーの中心にあるのですが次第に友情が深まっていく感じがなんとも胸をぽかぽかさせるのです。
そして出てくる妖怪たちが普通に生活していて、学校に行ったり、結婚したり、終活までしているところが人間臭くて親近感が湧いてきます。舞台となっているくらがり坂だったらもしかしてありえなくもないのかなと思ってしまうほど想像が膨らむこと間違いなしです。
転校生という設定なので、金沢の名所を案内される場面もたくさん出てきます。
知っている地名やお店が出てくるだけでうきうきしてきます。
ご当地ものというと、その土地出身や在住の作家さんによるものが多いですが
著者の峰守ひろかずさんは滋賀県在住とのこと。
縁のない方が金沢に魅力を感じて小説の舞台としてくれていることが嬉しいですよね。
この本を読んでたくさんの方が金沢に行ってみようと思ってくれるといいなと思います。