『バカの壁』等で知られる養老孟司氏が2020年12月に亡くなった愛猫まるとの思い出を、秘書の平井玲子氏が撮影していた二人の写真とともに語るエッセイ。
養老氏がまるの死を通して感じた物事を淡々とした語り口で書かれていますが、決して冷めているわけではなく、むしろ付かず離れずのちょうどよい距離感で接していたからこその空気感が感じ取れる本です。
亡くなった後もなおその姿を探してしまう様子は、ペットを飼っていた方ならば共感してしまうことでしょう。
写真の中のまるも非常に自然体で、養老氏やその周囲の人たちと良い関係だった事がつたわってきます。