今回紹介するのは「ムー 異世界の歩き方」。タイトルで察しがつく通り、海外ガイドの定番「世界の歩き方」がオカルト雑誌「月刊ムー」とタッグを組み、その二つの視点から世界のミステリースポットを紹介するという、異色のコラボ本です。
その内容は奇想天外、たとえばエジプトのピラミッドは、4500年前の古代エジプト王朝のものというのが通説ですが、月刊ムーの中では「1万2000年前の軍事施設である」というのが常識だそうです。
こんな全く違う二つの意見がたった1ページ挟んで並んでいるのです。こんな調子で『歩き方的な歴史や国についての一般的な知識』と『ムー的な我々の知らない隠された情報』がまるでお互いの知識をひけらかし合うかのように交互に披露されていて、読んでいると何が真実かわからなくなってくるでしょう。まるで異世界に迷い込んだかのような新感覚の不思議な読書体験を味わえます。
オススメは「海に沈んだ大陸」の章。アトランティスやムー大陸といったまさに月刊ムーの真骨頂というべきテーマですが、世界の歩き方側はこの歩きようのない失われた大地についてどのように紹介しているでしょうか。注目してみてください。