この「ふわふわとちくちく」は、メディアでもおなじみ「ことばの大先生」ともいうべき、斎藤 孝氏の監修により、相手にプラスの印象を与える「ふわふわことば」と、マイナスの感情を生み出す「ちくちくことば」が集められた絵本である。
各種SNSに代表される、情報発信の場が発達した現代は、「コミュニケーション能力」ひいては「ことばづかい」が、ことさら問われるようになった時代とも言えよう。
たったの一言で、いわゆる「炎上」を呼び込み、これまで積み重ねてきたキャリアを一瞬にして台無しにしてしまう、そんな光景を何度も目にしたことと思う。
本人にその気はなくても、相手の受け取り方によって、「ことば」は先端のとがった針となり、それが痛みを与えて、修復不能な誤解の元になってしまうのは、両者にとっても不幸でしかない。
この本を開いたとき、自分が使っている「ことば」には、相手に「ちくちく」刺さるものも含まれていたと多々思い知った。
様々なメディアから溢れてくる「ことば」に影響を受けて、我が子がどんな「ことばづかい」を使用しているか、気になる親御さんも多いことだろう。
これから「ことば」をたくさん覚えていく子どもたちとともに、我々おとなも、自身の「ことばづかい」にはどんな「ふわふわ」と「ちくちく」が混ざっているか、省みてはいかがだろうか。