子どもの頃に友達とグリコで遊んだことがあるという人も多いのではないかと思う。グリコでなくとも神経衰弱やポーカーでもいい。だるまさんがころんだはどうだろうか。ジャンケンをしたことがないという人はいないだろう。

 本作は私たちにも馴染みのあるこれらのゲームを基に勝負事に滅法強い女子高生が一癖も二癖もある対戦相手と勝負をしていく。それで何が面白いのかと問われれば、何も面白くない。よって、独自ルールを足すことにした。これにより、シンプルなゲームが戦略を用いて互いの手の内の裏を読みあう頭脳戦へと発展した。

 挑まれている。

 この特殊なゲームに勝つために必要な準備は?

 振る舞いはどうだ?

 どんな言葉で相手を惑わす?

 

 全てのプロセスが突き付けてくる。

 ゲームに勝つための逆転の道筋が見えているか?

 挑む覚悟があるのなら、手に取ってみてほしい。狂人たちの頭脳に驚嘆し、開陳されたトリックに歯噛みしながらも清々しくなり、虜になってしまうから。

地雷グリコ
青崎有吾/著
KADOKAWA
1,925円(税込)