2025年は巳年。「復活と再生」を表す干支だそうです。
明るいニュースが増えることを期待しつつ、巳年生まれの作家の作品を読んでみてはいかがでしょうか。
朝井リョウ/著 集英社
660円
1989年は昭和が7日で終わり、平成が始まりました。天安門事件やベルリンの壁崩壊など大きく時代が変わった年でした。 朝井リョウは大学在学中に本作でデビュー、田舎の高校を舞台に様々なスクールカーストに位置する高校生の姿を描いた青春小説です。20212年には「何者」で平成生まれ初の直木賞受賞者となりました。 同級生には李琴峰、元体操選手の内村航平らがいます。
西加奈子/著 河出書房新社
1,540円
中学生の横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたのは1977年11月15日のことでした。一刻も早い帰国をと願われつづけ48年経とうとしています。 西加奈子はイラン生まれ。「くもをさがす」はカナダでのがん闘病生活を綴った著者初のノンフィクション。勇気と元気と感動を与える一冊です 同級生には中村文則、佐藤究、澤田瞳子、お笑い芸人で作家の劇団ひとり、など。
J・K・ローリング/著 静山社
2,420円
1965年物理学者の朝永振一郎がノーベル物理学賞を受賞。 J.・K・ローリングが生活保護を受けながら執筆した「ハリーポッターと賢者の石」は発売されると世界的ベストセラーになりました。世界で最も売れたシリーズとして認定されています。 同級生にはさくらももこ、窪美澄、松浦弥太郎、馳星周などなど。
里中高志/著 早川書房
2,090円
1953年、NHKにより日本初のテレビ放送が開始されました。 栗本薫は1978年に「ぼくらの時代」で江川乱歩賞を受賞。様々なペンネームを使い分け多岐にわたるジャンルで活躍しました。男性同士の性愛を描くいわゆるボーイズラブ小説の草分け的存在でもあります。「グイン・サーガ」シリーズは死後も複数の作家に引き継がれ発行部数3300万部を突破しているベストセラーです。 同級生には高村薫、篠田真由美、阿川佐和子、小林よしのりなど。
ボブ・ディラン/著 岩波書店
4,950円
1941年12月8日、日本軍が真珠湾を攻撃し太平洋戦争が開戦となりました。 ボブ・ディランはアメリカミネソタ出身のシンガーソングライター。戦争や差別と言った社会問題を独自の言い回しで歌詞に込め、今も世界中の人に影響を与え続けています。2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞しました。 同級生には、ジェイムズ・P・ホーガン、宮崎駿、富野由悠季、登山家の植村直己ほか
向田邦子/著 文藝春秋
726円
1929年10月にニューヨーク証券取引所で株が大暴落したのをきっかけに世界恐慌が広がりました。この影響は第二次世界大戦が終結するまで続いたと言われています。 向田邦子は脚本家、エッセイスト、小説家。テレビドラマ脚本ではホームドラマの旗手として令和の今でもリメイクされ続けています。1981年飛行機事故で他界。51歳でした。 同級生にはアンネ・フランク、須賀敦子、色川武大、ミラン・クンデラなど
島尾敏雄/著 新潮社
924円
1917年ロシア革命によってロシア皇帝ニコラス2世が退位しロマノフ王朝が終焉、1922年のソビエト連邦樹立の大きな一歩となりました。 島尾敏雄は特攻隊長として出撃待機中に終戦を迎えます。「死の棘」は精神を病んだ妻との闘病生活を描き、映画化もされるなど評判を得ました。 同級生には柴田錬三郎、アーサー・C・クラーク、朝吹登水子など
原民喜/著 集英社
407円
1905年、夏目漱石が処女作「吾輩は猫である」の連載を開始。 原民喜は広島生まれの詩人。被爆体験をもとに書かれた小説「夏の花」は悲憤や感傷を抑えた文体で、原爆の恐怖を伝えます。 同級生には石川達三、円地文子、椋鳩十、ジャン=ポール・サルトルなど
モンゴメリ/著・村岡花子/訳 講談社
2,090円
1893年、ガンディーが最初の市民的不服従を行いました。 村岡花子は山梨県生まれ。女学校時代に英語を学び、1927年マーク・トゥエインの「王子と乞食」で翻訳家デビュー。戦中に取り掛かったモンゴメリの「赤毛のアン」を1952年刊行しモンゴメリ作品は以後次々と村岡訳で日本の読者に届けられました。 同級生には獅子文六、浜田廣介など
シュテファン・ツヴァイク/著 KADOKAWA
660円
1881年(明治14年)フェルディナン・ド・レセップスがスエズ運河に続いてパナマ運河を起工。その後疫病や汚職、会社の倒産などを経てアメリカによってパナマ運河は完成しました。 シュテファン・ツヴァイクはユダヤ系オーストリア人。小説や評論、中でも伝記は特に評価が高く、「マリー・アントワネット」は悲劇の王妃の一生を主観も交えながら読みやすく感情豊かに書き上げています。 同級生には森田草平、パブロ・ピカソ、岩波書店創業者の岩波茂雄など