『音楽』の聴こえてくる本

紙面に溢れる数多くの『音』と共に、物語に触れることのできる10冊です。

廉太郎ノオト

谷津矢車 箸/中央公論新社

1,925

明治時代、日本における西洋音楽の黎明期に現れた、夭折の天才「瀧廉太郎」。音楽と共に、短くも鮮烈に駆け抜けたその人生が、ピアノやオルガン、ヴァイオリンの音と交わり、奏でられていく。

蜜蜂と遠雷

恩田 陸 箸/幻冬舎

1,980

音楽というものは、才能を如実に表す。そして、それが試される場が、「コンクール」である。あるひとつの「コンクール」に集った様々な「音楽の才能」たちが、ピアノの音に自らの意思を乗せてぶつかり合う。『本屋大賞』『直木賞』のW受賞作。

羊と鋼の森

宮下 奈都 箸/文藝春秋

1,650

それは、「音に寄り添う才能」というべきであろうか。「調律師」とは、ピアノが奏でる音色を美しく保ちながら、ピアニストたちの心情にも寄り添う。音の導き手が紡ぐ、淡い灯火のような美しさを感じる物語。

詩人の恋

深水 黎一郎 箸/KADOKAWA

2,090

「ピアノの詩人」と呼ばれた音楽家、シューマン。その彼が残した連作歌曲集「詩人の恋」。ハイネの詩をもとに創られた、その歌曲集に込められている秘密を巡り、過去と現在が交錯する、短編連作集。

ふたご

藤崎 彩織 箸/文藝春秋

1,595

「SEKAI NO OWARI」で、アーティストとして活躍する著者が、挫折の連続を繰り返し、自己の存在意義を探し続けて、たどりついたバンド結成への道・・。”結成前夜”を示唆するように、研ぎ澄まされた才能が文章に込められる。

恋するラジオ

スージー鈴木 箸/ブックマン社

1,760

「あなたが、人生の最期に聴きたいのは誰の曲?」 ラジオから流れる音楽は、時間と共に変化する。しかし、年を経て、当時の音楽に触れた時、鮮やかによみがえってくる記憶がある・・。これは、音楽評論家のスージー鈴木の手による、私小説ともいうべき音楽回顧録である。

ギフト、ぼくの場合

今井 恭子 箸/小学館

1,540

両親の離婚、そして妹との死別・・。家族の喪失を何度も経験した少年は、何も感じない空虚な生活を続けていく。しかし、そんな少年に与えられていたのは、父親から授かったギターの技術・・。思いがけず必要とされたその「ギフト」が、少年の未来に灯を与える。

作曲少女Q~曲作りに悩み始めた私がやらかした12の話

仰木 日向 箸/ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスミュージックメディア部

1,760

SNSの普及により、「1億総クリエイター」とでも呼ぶべき時代となった現在。楽器は弾けなくとも、作曲に興味を持ち、創造という名の扉を開いた少女を待ち構えていたのは、苦難の連続であった・・。12の短編が繰り広げる、壮大なる創生の物語がここに・・あるかもしれない。

BLUE GIANT 

石塚 真一 箸/小学館

660

『岳』で脚光を浴びた著者が送る渾身の一作は、JAZZの舞台。世界一のJAZZプレーヤーを目指し、ひたむきにひたすらにサックスを吹き続ける、高校生の主人公。”音楽”で成功するには、いったい何が必要なのか・・。夢や努力だけでは届かない目標に挑む、少年の姿を追いかける。

青のオーケストラ 

阿久井 真 箸/小学館

628

才能がありながら、ヴァイオリンをやめてしまった少年・・。やめてしまったはずなのに、折に触れてよみがえる音楽への渇望・・。そんな彼が再び、ヴァイオリンの音色と邂逅した時、物語は動き出す。紙面から音が溢れだす、峻烈なオーケストラコミック。

back number