主人公は著者自身!?
筒井 康隆 箸/文藝春秋
902円
先日日本芸術院賞・恩賜賞を受賞した筒井康隆氏。以外にも直木賞を受賞していないのをご存じですか。その恨みを小説で晴らしたと読めてしまうのがコチラの作品。 はじめて書いた小説がもとで会社をクビになるが、幸運にも直木賞ならぬ直廾賞の候補となり、主人公は選考委員らに金を配り、女好きの委員には自分の浮気相手を捧げ、男色家の委員には自らの体を捧げるなど根回しに奔走する。ここまでしたのだから受賞は確実と思われ、実際、最有力作品となったが受賞を逃してしまう。憤怒に駆られた主人公は、買収に応じたのに裏切った選考委員らを殺して回ることを決意する。 出版社も選考委員もモデルがはっきり分かる書き方のうえ、直木賞を主催する文藝春秋の雑誌に掲載されたのもあって当時話題騒然となった作品がこの夏復刊した。
東野 圭吾 箸/KADOKAWA
594円
人気推理作家を悩ませるのは巨額の税金対策。執筆経費を増やすため、小説の舞台を北海道からハワイに変えたり、ゴルフやカラオケの場面を強引に入れたり、物語はおかしな方向へ進んでいく『超税金対策殺人事件』をはじめ、いきあたりばったりに書き始めたが思いつかない結末、うっかり使い回してしまったトリック、褒めるところが見つからない書評の執筆・・・。 推理小説誕生の舞台裏をブラックユーモアたっぷりに描いた切れ味抜群の8つの作品集。
柚木 麻子 箸/新潮社
572円
元アイドルと同時受賞」という、史上最悪のデビューを飾った新人作家・中島加代子。さらに「単行本出版を阻止される」「有名作家と大喧嘩する」「編集者に裏切られる」etc.絶体絶命のトラブルに次々と襲われる羽目に。 どん引きしたらいいのか、笑ったらいいのか分からなくなる癖強キャラ加世子から目が離せない!ブラックなのになぜかすっきり感のあるラストにも注目。
倉知 淳 著/幻冬舎
781円
著者本人を思わせる作家が登場したりと自虐ネタ満載の『押し売り作家』『遺作』など本格ミステリ作家が本格的に”ふざけた”ありそうでなさそうで、やっぱりありそうな?!出版業界の内幕を描く、笑っていいのか、困ってしまう短編小説集。
百田 尚樹 箸/幻冬舎
715円
出版界を舞台にした掟破りのブラック・コメディ! 敏腕編集者・牛河原勘治の働く丸栄社には、本の出版を夢見る人間が集まってくる。 自らの輝かしい人生の記録を残したい団塊世代の男、スティーブ・ジョブズのような大物になりたいフリーター、ベストセラー作家になってママ友たちを見返してやりたい主婦……。 現代人のふくれあがった自意識といびつな欲望を鋭く切り取った問題作。これから本を出したいと思っている人にはおすすめできません。
松岡 圭祐 箸/KADOKAWA
748円
ラノベ作家の杉浦李奈は、新進気鋭の小説家・岩崎翔吾との雑誌対談に出席。テーマの「芥川龍之介と太宰治」について互いに意見を交わした。この企画がきっかけとなり、次作の帯に岩崎からの推薦文をもらえることになった李奈だったが、新作発売直前、岩崎の小説に盗作疑惑が持ち上がり、この件は白紙に。そればかりか、盗作騒動に端を発した不可解な事件に巻き込まれていく……。真相は一体? 出版界を巡る文学ミステリ!
羽田 圭祐 箸/講談社
1056円
編集者須賀は渋谷のスクランブル交差点で女性を襲うゾンビを目撃する。日本各地でゾンビの出現が相次ぐ中、火葬されたはずの文豪たちまで甦り始める。極貧作家K(おそらくモデルは著者自身)、書かないことで価値をあげる美人作家(あの作家?)、家族で北海道へ逃げる小説家志望の青年、対策に追われる区の職員、ゾンビに噛まれた女子高生。様々な視点で描かれるサバイバル小説。ゾンビって一体何だ?!
塩田 武士 箸/KADOKAWA
792円
出版界と大泉洋という二つの「ノンフィクション」を題材に書く社会派にして本格ミステリー。 大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!
大沢 在昌 箸/講談社
770円
嘘と真実の狭間に潜む、謎を「私」はあぶりだす。 収録作品すべての語り手は、著者を彷彿とさせる「私」なる作家。 自身の経験に裏打ちされたミステリーは、本当にすべてフィクションなのか? ハードボイルド&ミステリーの第一人者が満を持して放つ珠玉の作品集
バルザック 箸/集英社
1,430円
『幻滅(妙)』は純朴で美貌の文学青年リュシアンが迷い込んでしまった、汚濁まみれの出版業界を痛快に描いた傑作。 大衆小説から出発し、出版、印刷、活字鋳造とすべてに失敗、破産も経験したバルザックだからこそ書けた風刺小説。